松本市熟年体育大学(総合体育館コース)
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熟年体育大学(総合体育館コース)の理念

「楽しく」

 生きていて、誰もがまず思うのは、楽しくありたいということではないでしょうか。楽しいことを実現する一つの方法として、好きなことをすることがあげられるかとおもいます。楽しいこと・好きなことをやる前には、うきうきして、気がつけば鼻歌など歌っていることがあるのではないでしょうか。この楽しいこと・好きなことをやっている時、私たちが知らないうちに脳は活発に活動をはじめ、それを今度は脳内伝達物質のアドレナリン,ノルアドレナリン,セロトニン,βエンドロフィンなどが血液中を駆けめぐりはじめます。さらに好きなことに没頭すると、特に脳の前頭葉の部分が活発に働き出します。 この時脳波を測定すると、集中時に発生するといわれているθ波という、4Hz~7Hzの緩やかな脳波が現れることが知られています。 ノーベル賞受賞者の多くは、「自然現象の美しさや、不思議さに心を奪われ夢中になった」と言っています。この言葉に実は大変重要な意味が含まれています。こうした状態は、脳を運動・活性化させ、脳の衰えを阻止してくれます。ですから、私たちが生きていくための活力をも与えてくれるのです。足も歩いて使っていかないと歩けなくなると同じように、脳も運動し活性化させ、働かせていかないと、やがて衰えていくことが考えられます。

「仲良く」

 熟年体育大学の「仲良く」は、思いやりを持ち、温かさが感じ取れるコミュニティーへの参加を意味します。仲間と会い、自分の思ったこと感じたことを表現することによって、ちょっと緊張したり、頭を使ったり、 困ったり、笑ったりして、心が動き、人との「関係」が生まれ、脳も動き、活性化されるのです。危険なことは、人前に出ようとせず、まわりのことに無関心になってしまうことです。人間は決して一人では生きていけません。と同時に、私たちは自分自身,家族,友達,仲間とのコミュニケーションを実現することで癒し癒されているとも言われています。日本語の「癒す」を英語では、heal と言います。このヒールの語源は「全体化」 whole のホールで to make whole を意味します。そして to make whole は、「集める」の together を意味し、to bring together と同じ語源で、コミュニティーなど集団を指すと言われています。つまり癒すということは、コミュニティーを意味し、そこで相手と話したり聞いたりすることで人間は癒し癒されているということが言われています。最新の医療技術と抗生物質という新薬がなかった昔、医者は患者と話し、共感し、触れて病気を治していたとも言われています。精神医学的にも、社会的な疎外感,孤立感は私たちにとって非常に危険なことが分かってきています。リスザルを群れから離し、一匹だけに隔離すると、そのリスザルは不安から免疫機能が有意に減退するという報告事例があります。このようなことを家族に当てはめてみますと、家族とは、非常に大切なコミュニティーであり、自分がまぎれもなくこの家族に所属していることを実感でき、疎外感を感じさせない親密さ・連帯感を味わえる揺るぎない唯一の場所だといえると思います。自分の居場所があって、そこにいると何となく温かい気持にさせられる、笑いがあって、何か厳しい局面に遭遇しても皆で力を合わせて乗り切ることのできる、家族のような姿を熟年体育大学で実現していくことを私たちは目標としています。

「健康で」

 熟年期を迎え、大切な事はどのくらい長生きするのかではなく、どのくらい生き甲斐を実感し、充実した人生が送れるかということだと思います。このプロジェクトのアンケート調査で「次の中から一つだけ欲しいものを選んで下さい」という問いに対する答えの第1位は、「いきいきとした自分」でした。世界保健機関(WHO) は健康の概念を「単に病気や虚弱でない状態をいうのではなく、身体的・精神的および社会的に完全によい状態」であると定めています。しかし、たとえ身体的な健康が完全に満たされなくても、よい仲間作りなどで、社会的或いは、精神的な健康を維持することができれば、健康を支えていけると思います。身体的な健康がたとえ損なわれたとしても、自分を受け入れ、自分を愛することができ、精神的に満たされていれば、他の人と同じように本質的な健康を備え持つことができると考えられます。一つぐらい病気があっても、健康的な生活を営むことはできます。むしろ病気や、失われた機能を苦にして引きこもってしまうことの方が危険です。健康とはけっして、「病気ではないこと」ではなく、今生きていることを実感し、他人をもっと愛し、喜び、笑い、安らぎ、いろいろな事を見たり聞いたりでき、いろいろな事に対応でき、恐れること、迷うこと、失うこと、苦しむこと、朽ちることに屈せず、色あせることなく輝き続ける本当の自分を発見することだと思います。良く生きているということは、生命の長さではなく、生きている一瞬一瞬を大切にすることなのではないでしょうか。これが熟年体育大学の目指す健康です。