松本市熟年体育大学(総合体育館コース)
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◆知らずにいると危険なことも 年をとると喉が渇かない!

 私たちのからだの60%は水でできており、生命活動の溶媒として重要な役割を果たしています。人間は1日に約2.5リットルの水を必要としますが、尿として1.5リットル、呼気中の水蒸気として1リットルを排出します。

 運動をすると汗をかきますが、その量もばかになりません。1個の汗腺は40マイクログラムと非常に小さく目に見えないので他の臓器ほど注目されませんが、皮膚表面の汗腺約300万個を合計すると120グラムと、実に腎臓1個に匹敵する重量になります。そのため、通常の運動でも1時間当たり0.5~1リットル、トレーニングを積んだ人になると1時間当たり最大3~5リットルの汗を分泌することが可能です。汗は気化によって体表から熱を奪い、運動時の体温を一定に保ちます。つまりクーラーの役目をするのが汗で、運動をおこなう場合なら、1日5リットルほどの水分補給が必要になります。

 この水分補給を促すのは、脳内にある飲水中枢。脱水で体液量が減ったり、体液塩分濃度が高まると、飲水中枢が興奮し口渇感を引き起こします。下痢をした特、塩辛いものを食べた時に喉が渇くのはこのメカニズムによるものです。

 ところが、最近の高齢者を対象としておこなわれた研究で次のような結果が報告されています。高齢者の方に暑熱環境下の運動で1リットルほど汗をかいてもらい、その後の水分摂取量を測定すると、何と若年者の50%以下だったのです。同量の汗をかいても、高齢者は若者ほど喉の渇きを感じないことになります。「年寄りには水はいらない」などと早合点してはいけません。飲水中枢の働きが鈍り脱水を感じにくいということで、このまま運動を続けると、汗の分泌が抑制されて最悪の場合、熱中症になります。

 そこで、ひとこと。運動の前後の水分補給は喉の渇き以上にするようにしてください。日常も多めに水分をとることが大切です。夜のトイレが気になって水分を控える方もいますが、時間をずらすなどしてしっかり摂取した方がいいでしょう。元気な人ほど、よくからだを動かし、十分な水分をとっているものです。
(N)
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